シミと肝斑(かんぱん)の違いについて。これって、どっち?
2025.02.07シミ予防・ケア
女性を悩ませるシミ。
紫外線対策もきちんとしているし、シミ予防クリームも使っている。なのにシミが薄くならない……
もしかしてそのシミ、肝斑(かんぱん)かもしれません。
今回は、シミと肝斑の違いについて、特徴や発症年齢、原因や治療法について詳しくお話します。
シミと肝斑、特徴や発症年齢の違い
【シミは男女関係なくできる。場所もさまざま】
一般的に「シミ」といわれる多くは紫外線を浴びることによってできる、「老人性色素斑(日光黒子)」。
顔や手の甲などは シミができやすい場所です。
〇特徴
▼ 薄い褐色(盛り上がったタイプは脂漏性角化症など)
▼ シミの輪郭がはっきりしている
▼ 頬や手の甲など、肌が露出し日光を浴びてきた部分に見られることが多い
▼ 男女の区別なくあらわれる
このほか、一般的に そばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、ニキビ痕などの炎症から起こる色素沈着などもあります。
【肝斑(かんぱん)は30~50代女性にでることが多い】
シミと比べて、発症する対象者が絞られるのが肝斑の特徴です。
〇特徴
▼ 頬骨 鼻根 こめかみ 鼻下などが代表
▼ ゴーグルをはめた後みたいに左右対称(頬骨にそって広がる)
▼ 30~50代の女性にあらわれることが多い
シミと肝斑の原因に違いはある?
【シミの原因は外的要因が中心】
いわゆる老人性のシミの場合、紫外線ダメージに伴うメラニンの過剰生成が原因です。
紫外線を浴びると、紫外線による皮膚内のDNAを守るためにメラニンが生成されます。
通常、肌は28日前後の周期でターンオーバー(新陳代謝)を繰り返すので、古い細胞は外へ排出されていきます。
このとき、メラニン色素も排出されるのですが、紫外線の影響や、生活習慣の乱れ、顔をゴシゴシこするような洗顔、ピーリングのしすぎなどで肌のバリア機能やキメが乱れると、メラニン色素が排出されず、色素沈着、つまり「シミ」になってしまいます。
【肝斑の原因は内的要因が中心?】
肝斑の場合、実は特定の一つの原因というのは はっきりとわかっていません。
紫外線も一因ですが、肝斑は紫外線にあたらなくてもできることがあります。
その原因は女性ホルモンの乱れや、日常的なメイク関連の刺激から発生するとも言われています。
ただし、肝斑の原因が体の内側にあるとしても、紫外線は肝斑の悪化や再発につながる大きな要因の一つでもあります。
シミと肝斑のセルフケア
【シミ予防のセルフケア】
女性のシミは、普段のセルフケアがとても大切。
特に肌のターンオーバーを正常に働かせることが大切です。
シミの予防はもちろん、できてしまったシミの改善も期待できます。
具体的には、以下のことを日常生活で気をつけてください。
・栄養バランスのよい食事をとる
・十分な睡眠をとる
・ストレスをできる限り少なくする
・肌への摩擦を少なくする
・適切な化粧品を使ってシミ予防をする
レチノール配合化粧品を使うのも効果的ですが、お肌との相性が良い方に限られます。
合わない方が無理に続けるのは、かえって肌トラブルのもとになりがちですので注意してください。
一旦できてしまった頑固なシミは、セルフケアだけでは限界があります。
美容皮膚科クリニックでの治療では、それぞれのシミの状態にあわせたベストな治療を行います。
美容皮膚科のシミ治療は、レーザー治療が中心で色素分解作用のあるレーザーや光治療でシミを除去します。
強い刺激でメラニン色素だけを破壊できますので、シミを集中的に治療することができます。
【肝斑予防のセルフケア】
一方、肝斑に有効なケアは、なんといっても「刺激を避けること」です。
紫外線だけでなく、メイクのオンオフの刺激、合わない化粧品を続けることで蓄積する刺激は 全てマイナス効果です。
肝斑を悪化させないよう、慎重に計画することが重要。
▼トラネキサム酸を飲む
肝斑治療に効果があるといわれている、トラネキサム酸を飲むのは 大切な方法の一つです。
短期間に効果が出る方の場合、一般には3か月ほど続けると明るさが見られると言われています。
薬局やドラッグストアで相談していただくと良いでしょう。
ただし、はっきりと肌に出てしまっていた肝斑の場合は「3か月だけの内服薬で消える」というケースはまれなようです。
▼レーザー治療を行う
より高い効果を求めるなら、美容皮膚科クリニックもご検討ください。
肝斑は表皮の一番深い層から始まることが多く、また範囲もシミより広範囲に発症します。
シミ治療のような強い刺激を受けると悪化してしまうため、十分慎重な計画が大切。
美白やくすみに効果があるとされるマシンでも、刺激がかえって肝斑を強めてしまうことがあります。
あなたにあった適切なマシンと出力設定など、きめ細かい対応が欠かせません。
マシンの特性に精通した施術者による複合的な治療が効果的です。
また、肝斑のメラニン分解の際、肌への負担がかかりますので、併せてメソポレーションによる保湿や浸透導入を強力に行うことに大切。
特に、頬骨の高い位置の肝斑では、キメが乱れたり、保湿力が落ちていることが多く、これらがメラニン蓄積の原因につながります。
「肝斑にピコトーニング・レーザートーニング」だけを漫然と施行するのはおすすめではありません。
シミと肝斑、同時に発症している場合の治療
シミと肝斑には、どちらもレーザー治療が有効ですが、照射のやり方が異なります。
気をつけたいのは、シミと肝斑が同時に発生している場合。シミ治療用の強いレーザーを肝斑にも当ててしまうと、肝斑が悪化してしまうので要注意です。
このような場合は、まずは肝斑を治療し、その後にシミを治療していきます。
まとめ
シミと肝斑は、原因、見た目が違います。とはいえ、紫外線がどちらも悪化させてしまうことは忘れてはいけません。紫外線カットをすることはいずれにせよ大切です。
治療法についても、シミと同じ出力のレーザーを肝斑に当ててしまうと、肝斑はむしろ悪化してしまいます。
自宅でのケアはもちろん大切ですが、シミの症状が悪化してしまう前に、あなたの肌にできたシミの症状をクリニックで診断し、治療してもらうことをオススメします。
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